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♪ Der Schauspieldirektor「劇場支配人」K. 486

by hidepost, le 16 oct 2020

作曲:Wolfgang Amadeus Mozart (モーツァルト1756~1791)

内容:1776年20歳のモーツァルトは神聖ローマ帝国の皇帝ヨーゼフ2世の依頼で、このオペラを作曲。シェーンブルン宮殿内のオーランジュリでの初演では、サリエリ作曲の「まずは音楽、お次が言葉」も上演され、ドイツ語の音楽劇とイタリアのオペラの競演となった。序曲と4曲で構成された4人の歌手による約34分。ドイツ語

あらすじ

1場~6場(セリフによる劇で、7場からオペラとなる)

劇場支配人フランク(役者)は、宮廷からザルツブルクでの上演許可がおりて喜んでいるが、劇場経費が掛かり過ぎてあまり儲からないと浮かぬ顔。そこへ俳優役のブッフ(バス)が来て、二人は新たな劇団を作ろうとオーディションをすることにして、ブッフは団員の給料を安く抑えることを提案する。最初にやってきたのが、劇場のスポンサーの銀行家のアイラー(役者)。アイラ―は、劇団に融資をする代わりに自分のごひいきの女優プファイル(役者)を雇ってもらうよう依頼する。アイラー氏同席のもと芝居の一節を試演してみせた彼女は、週10ターラー以上は出せないと渋るフランクを尻目に12ターラーを勝ち取る。続いてやってきた女優クローネ(役者)は、同じ目的で来た俳優のヘルツ氏(役者)と共に演じ、週14ターラーをもらうことになり、最後に来た有名な女優フォーゲルザング(役者)に至っては、ブッフを相手にドラマを演じて週18ターラーを得ることとなる。俳優ヘルツ氏は、妻が歌手なので夫婦一緒に売り込むべく彼女を探しに行く。女優フォーゲルザンクも、夫が歌えるのでと同様に出て行く。ブッフは、どうしてギャラが値上がりしてしまうのか訝(いぶか)しみながらため息をつく。

第7場

いよいよオペラ歌手のオーディションとなり、俳優のヘルツ氏が、妻ヘルツ夫人(ソプラノ)をつれてきて、アリア≪別離の時の鐘は鳴り≫を歌わせ、感動した支配人のフランクは夫ヘルツ氏のネゴもあり彼女に16ターラーを払うことになってしまう。

第8場

続いて売り込みにきたジルバークランク嬢(ソプラノ)は、≪喜んで貴方の愛をお受けします≫を歌い、ヘルツ夫人と同額の週16ターラーをせしめる。

第9場

今度は女優フォーゲルゲザンクが歌手の夫を連れてくる。彼女は、夫フォーゲルザング氏(テノール)が歌う前に、歌手ヘルツ夫人にギャラのことを尋ね、ちょっとした軋轢(あきれつ)が生じる。そんな中、ヘルツ夫人とジルバークランク嬢の間で、劇団におけるプリマドンナ争いとなり、フォーゲルゲザンク氏がなだめるが、三重唱≪私がプリマ・ドンナよ≫となって鎮まらない。

第10場

そこへ、一人だけ週12ターラーで契約させられて一番最初にオーディションを受けた女優プファイルが、文句を言いにくる。またギャラ争いが勃発するが、すっかり嫌気がさした劇場支配人フランクが、「こんなことなら劇団を作るのをやめる」とキレて、一同はやっと鎮まり、終曲≪芸術家は誰もが栄光を求めて努力する≫と歌う。最後にブッフが「自分は喜劇役者=ブッフォ役で、歌もからきしダメだが、それでもそれなりに尊敬を受けるものです」と言って、一同円満に幕となる。