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♪ Fierrabras 「フィエラブラス」 D. 796

by hidepost, le 11 nov 2014

作曲:F. Schubert(シューベルト1797~1828)
内容:ケルントナートーア劇場のスタッフで友人のJ. Kupelwieserが、26歳のシューベルトのために台本を作ったが上演されず、今年1月に亡くなった名指揮者クラウディオ・アバド氏が、1988年ウィーンで全曲上演して日の目を見るようになった。作曲者自身が「3幕の英雄劇」、「3幕のロマン的オペラ」と名付けたもの。 3幕 ドイツ語

簡単な要約:

舞台は、8・9世紀のフランク王国のカール大帝が支配する時代の南フランスとスペイン。キリスト教徒とイスラム教徒が度々戦争する中、イスラム国王の息子フィエラブラスとカール大帝の尽力で双方が和解し、キリスト教徒が、イスラム教徒をキリスト教に改宗させる。それに伴い2組の愛の物語がある。

あらすじ

第1幕

フランク王国のカール大帝(バス)と、イスラム教国(スペイン)の君主ボーラント(バリトン)の戦争中、フランク王国が、君主ボーラントの息子フィエラブラス(テノール)が率いる軍を打ち破り勝利を治めて、捕虜にしたフィエラブラスを連れて凱旋する。フランク王国の騎士ローラント(バリトン)は、フィエラブラスと友情を育み、彼をキリスト教に改宗させていたため、カール大帝に彼の解放を進言して、カール大帝はそれを許す。フィエラブラスは、そこに4年前ローマで?会って(で出会って?)密かに心を寄せていたカール王の娘エンマ(ソプラノ)を見つけるが、彼女は、父の部下の騎士エギンハルト(テノール)から愛を告白されている。カール大帝は、騎士ローラントやエギンハルトたちを、敵国君主ボーラントに降伏と改宗を迫る使節として派遣することにする。その出発の直前、エギンハルトとエンマは逢引するが、貧乏な貴族出身のエギンハルトはカール大帝から良い印象を持たれていないために、その逢引を知ったカール大帝は激怒する。フィエラブラスは、エギンハルトを庇(かば)い、その罪を負って牢屋に入れられる。エギンハルトは、フィエラブラスに対し良心が咎めながらも使節として出発する。

第2幕

国境近く、エギンハルトが使節団から一人離れて思いに耽っていると、敵軍に遭遇し捕えられて君主ボーラントの元に連れ去られる。カール大帝の騎士団ローラントたちは、大帝の使命とエギンハルトを救出するために、イスラム教徒たちを説得、改宗させながら、君主ボーラントの元に到着して謁見する。君主ボーラントの娘でフィエラブラスの妹のフロリンダ(ソプラノ)は、かつて愛し合ったローラントが使節団の中にいるのを見つけ驚く。ローラントは君主ボーラントを説得しようとするが、君主は、息子フィエラブラスが、すでに改宗してフランク王国側にいることを聞くと激怒して、使節団を捕えて牢獄に入れてしまう。娘フロリンダは、密かに使節団に侵入してローラントとエギンハルトを脱出させるが、ローラントは包囲していた軍に捕まってしまう。

第3幕

カール大帝の娘エンマは、父王にエギンハルトとの経緯を告白し フィエラブラスはその無実の罪を許される。そこへ何とか逃れたエギンハルトが、フランク王国に戻り、カール大帝に事の次第を説明する。即刻、カール大帝は軍の派遣を命じ、自らも出陣することにして、無実の罪を許されたフィエラブラスもその軍に加わる。まさにローラントの処刑の直前に到着したエギンハルトとフィエラブラスのフランク王国軍。君主ボーラントにカール大帝軍の手がかかろうとした時、突然フィエラブラスが制止し、父ボーラントを説得する。ボーラントは、キリスト教への改宗とカール大帝に降伏する苦渋の決断をする。すべての者が互いを認め合い、喜びのうちに幕となる。