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♪Orphée et Eurydice「オルフェオとエウリディーチェ」仏語ベルリオーズ版

by hidepost, le 29 sept 2013

作曲:Christoph Willibald Gluck(グルック 1714~1787)

仏語版編曲 Hector Berlioz(ベルリオーズ1803~1869)

内容:2014年は、作曲者グルック生誕300年で、このオペラは5月にウィーンでオリジナル版、モネ劇場ではベルリオーズ版で、それぞれが同じ演出家による演出で上演される。有名なギリシャ神話「オウィディウス」を基にしたこのオペラは、日本人歌手が最初に上演した本格的なオペラとして日本洋楽史上でも記憶される作品で、グルックが、ドラマに密着した音楽により、従来のオペラを形式的芸術から、人間的感情表現へと深化させる革命を行った改革理論を実践で示した名作。

4幕 フランス語

あらすじ

第1幕

月桂樹と糸杉に飾られたエウリディーチェの墓の前。毒蛇に咬まれて若くして亡くなったエウリディーチェの死を悼み、羊飼いやニンフたちが嘆きの歌を合唱している。最愛の妻を亡くしたオルフェオ(メゾソプラノ)は、アリア“愛しい人を呼んでも”を歌い、神々にエウリディーチェを返してくれと訴える。そして、「私はたとえ闇の中にでも彼女を取り返しに行く覚悟がある」と叫ぶと、愛の神アモーレ(ソプラノ)が現れ「もしもお前の音楽で地獄の番人たちをなだめることができるなら、黄泉(よみ)の国へ彼女を探しに行ける。しかし、彼女を見つけても、地上に戻るまでは、決してエウリディーチェの顔を見てはならない。この掟を破ればエウリディーチェは再び命を失い、二人はもう永遠に逢えないのだ」と告げる。アモーレの言葉に力を得たオルフェオは、「その試練に耐えて見せる」と誓って、黄泉の国への入口を目指して行く。

第2幕

黄泉の国への入口では、蛇の頭を持つ復讐の三女神や地獄の妖霊たちがオルフェオの行く手を拒む。オルフェオは臆せずに竪琴を奏でながら進み、冥界の神々に訴えるが、「ならぬ」と拒絶される。しかし彼が“千々の苦しみに”を切々と歌うと、復讐の女神たちも心を動かされて、黄泉の国へ入ることを許す。

第3幕

有名な“精霊の踊り”で、幸せな精霊たちが踊っている。エウリディーチェ(ソプラノ)も“ここは安らぎと静けさの野”を歌い、川のほとりで憩っている。そこへ辿り着いたオルフェオが、精霊たちにエウリディーチェの所在を尋ね、彼女を帰してくれるように懇願すると、精霊たちは 彼をエウリディーチェのところへ導びく。

第4幕

黄泉の国から地上へと続く道。エウリディーチェは再びオルフェオと一緒にいることを喜んでいるが、オルフェオはエウリディーチェの手を引いて、間隔を取って彼女の顔は見ようとしない。決して自分を見ようとしないそのオルフェオの態度に エウリディーチェは 彼の愛に疑念を持ち始めるが、オルフェオはアモーレに告げられた掟により、エウリディーチェを見ることも、その理由を話すこともできない。不安に怯えて問いかけるエウリディーチェ、答えられないオルフェオ。自分に対する愛が冷めてしまったと誤解をしたエウリディーチェは、地上に戻ることを拒否して、むしろ死を選ぶとオルフェオを責める。ついに耐え切れなくなったオルフェオが妻を振り返ると、エウリディーチェは再び息絶えてしまう。オルフェオが絶望し“エウリディーチェを失った”を歌い、自分も同じ黄泉の世界へ行くべく自殺しようとする。まさにその時、アモーレが現れて「お前の妻に対する愛の深さと誠実さは充分に証明された。エウリディーチェを返してあげよう」と告げ、その言葉によってエウリディーチェは生き返り、二人は固く抱き合う。喜びにあふれた二人は、アモーレを中心に、神への感謝を捧げ合唱するうちに幕となる。