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♪Jenůfa 「イェヌーファ」(彼女の養女)

by hidepost, le 25 sept 2013

作曲:Leoš Janáček(ヤナーチェク 1854~1938)

内容:チェコのモラヴィアの国民主義を代表する作曲家ヤナーチェクは、モラヴィア特有の民族音楽を基礎に、自由奔放な作品を書き、時の経過とともに今世紀最大のオペラ作家として成功した。このオペラは、彼と同時代のGabriera Preissováの戯曲「彼女の養女」が原作で、彼の人間への鋭い洞察力で、生々しい人間の性(さが)を描く名作。

3幕 チェコ語

あらすじ

登場人物関係:イェヌーファは、製粉所ブリヤ家のおばあちゃんの次男の娘で、今は亡くなった次男の後妻コステルニチカ(教会のおばさんという意味)の養女として義母コステルニチカと暮らしている。また、イェヌーファは、ブリヤ家のおばあちゃんの長男の後妻の息子シュテヴァとは血の繋がった従兄弟で、後妻の連れ子ラツァとは、血の繋がらない従兄弟の間柄にある。

第1幕

イェヌーファ(ソプラノ)は、ジャガイモの皮を剥くおばあちゃん(アルト)の側で、徴兵検査で町に出かけた道楽息子の従兄弟シュテヴァ(テノール)の帰りを待っている。シュテヴァはイェヌーファをたぶらかして妊娠させていて、イェヌーファは、彼が徴兵されると未婚の母となりかねないので、不安で仕事にも身が入らず、聖母マリアに祈っている。一方、シュテヴァの異父兄であるラツァ(テノール)は、連れ子としてブリヤ家で冷遇され続けてきた上、本気で愛しているイェヌーファをシュテヴァに取られて嫉妬しているが、製粉所でまじめに働いている。製粉所の親方(バリトン)が来て、ラツァがナイフを砥いで欲しいと渡し、親方はシュテヴァが徴兵免除になったことを告げる。シュテヴァが新兵隊と一緒に酔っぱらって戻って来て、そこにイェヌーファの義母のコステルニチカ(メゾソプラノ)が登場し「シュテヴァが今のだらしない生活を止めて、1年間は真面目に過ごさなければイェヌーファとの結婚は許さない」と言うので、皆は「おっかないおばさんだ」と言いながら帰って行く。イェヌーファはシュテヴァに結婚を迫るが、彼はもともと彼女を本気で愛していないので取り合わず「お前のりんごのような頬は誰よりもきれいだよ」と言って行ってしまう。ラツァがナイフを手にして現れ、「シュテヴァはお前の頬にしか興味がないんだ」と言い、イェヌーファともつれているうちに、彼女の頬をナイフで傷つけてしまう。ラツァは、悲鳴を上げるイェヌーファの前にひざまずいて後悔するが、人々が集まり大騒ぎとなる。

第2幕

半年後、真冬のコステルニチカの家では、一週間前にイェヌーファがこっそりと男の子を出産し、家名が傷つくのを恐れた養母コステルニチカは「イェヌーファをウィーンに奉公に出した」と言って密かにかくまっている。産後で疲れているイェヌ-ファが寝ている間に、コステルニチカに呼び出されたシュテヴァが来て、彼女から男子出産を告げられ、泣いてイェヌーファと結婚してやってくれと頼まれるが、シュテヴァは「自分は村長の娘ともう正式に婚約したので、顔に傷のある女には用はない」と逃げるように立ち去る。入れ替わりに、イェヌーファを傷つけたことを深く後悔しているラツァが現れ、イェヌーファとの結婚を申し出る。コステルニチカは、イェヌーファはシュテヴァの子どもを産んだがそれでも良いかと問い、思い悩むラツァと話すうちに、「その生まれた子どもはもう死んでしまった」と恐ろしい考えを思い描き、「ちょっとしたらまたおいで」と言って彼を帰す。「ちょっとしたら・・」と繰り返してつぶやくコステルニチカは、生後間もない赤子を熟睡しているイェヌーファの側から奪って、雪に覆われた川に捨ててしまう。目覚めたイェヌーファは子どもも義母もいないので動揺するが、義母が子どもをシュテヴァのところに連れて行ったのだと思い、聖母マリアに祈りを捧げる。戻ってきたコステルニチカは、イェヌーファに「お前が高熱で2日間眠っている間に子どもは死んでしまい、埋葬ももうすませた」と偽り、嘆き悲しむイェヌーファに、シュテヴァの不実を語り、全てを打ち明けた後でも良いと言ってくれているラツァとの結婚を勧める。そこへラツァが戻って来て、「こんなになった私でも構わないの」と言うイェヌーファを抱きしめて「過去は忘れて新しく出直そう」と言うので、彼女もラツァの愛を受け入れる。傍らでは、コステルニチカが、犯した罪の重さに、吹雪で開く窓に「死神が覗いているようだ」と叫ぶ。

第3幕

3カ月後の春先のある日、イェヌーファとラツァのささやかな結婚式が行われようとしているが、コステルニチカは罪の意識に悩まされている。イェヌーファも「貴方は私にはもったいない」と過去にこだわるが、嫉妬から解放され晴々としたラツァは「僕だって君に酷いことをしたのだから総てを忘れよう」と彼女に花を贈って「シュテヴァとも仲良くしようと、彼も式に招いた」と言う。シュテヴァが、2週間後に結婚式を挙げる事になっている婚約者、村長の娘カロルカ(メゾソプラノ)と一緒に現れ、カロルカは祝いの言葉を言うが、コステルニチカは二人の訪問を喜ばない。娘たちが祝福の楽しい合唱をし、教会に行く前にブリヤ家のおばあちゃんが二人を祝福しようとした時、「凍った川から赤子の死体が見つかった」と外が大騒ぎになる。死体を見たイェヌーファは「それは私の息子。シュテヴァとの子ども」と叫び、人々が彼女に石を投げろと騒ぎ、ラツァが彼女を守る。騒然とする中、コステルニチカが自分の恐ろしい罪を人々に告白する。カロルカはシュテヴァとの婚約破棄を告げて母の村長夫人と去り、シュテヴァも逃げるように出て行く。イェヌーファは継母を助け起こし、罪を許し悔い改めの道を与えようとする。コステルニチカは罪の償いに耐えてゆくとイェヌーファに告げ、村長と村人たちに連行されて去る。最後に残ったイェヌーファとラツァの二人。イェヌーファは「これ以上自分の不幸に付き合うことはない」と言って、彼に去ることを勧めるが、ラツァは「世間が何と言おうと二人で慰め合って耐えてゆこう」と誓う。イェヌーファは彼の愛を受け入れ、将来のことを思う中、幕となる。