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♪Così fan tutte「コジ・ファン・トゥッテ」(「女は皆こうしたもの」または「恋人たちの学校」)

by hidepost, le 26 mar 2013

作曲:Wolfgang Amadeus Mozart (モーツァルト 1756~1791)

内容:ふざけている様で本質を突いているため、諧謔(かいぎゃく)的な面白さが最高の域まで高められて、それが人間の真理に迫る超高級な音楽劇。モーツァルトの友人で台本作者L.Da Ponteが台本を書いた。映画「Amour」などで、カンヌ国際映画祭パルム・ドール他数々の賞を獲得したハネケ監督が演出する。

2幕 イタリア語

あらすじ

第1幕

ナポリのカフェ。若い士官のグリエルモ(バリトン)とフェルランド(テノール)が、それぞれの恋人の美しさと貞操の固さを自慢している。それを聞いた老哲学者のドン・アルフォンソ(バス)は「貞節な女なんているわけが無い」と主張し、決闘だと迫る二人に、恋人達の貞節さを試す賭けをする事を提案し、彼が書いた筋書き通りにする事を約束させる。

姉のフィオルディリージ(ソプラノ)と妹ドラベルラ(メゾソプラノ)が、それぞれの恋人のグリエルモとフェルランドの肖像画を見てうっとりしている所へ、ドン・アルフォンソ が現れ、悲しげな表情で「グリエルモとフェルランドが戦場に行く事になった」と伝え、外にいた二人を部屋に入れる。グリエルモとフィオルディリージ、フェルランドとドラベルラの2組の恋人たちは辛い別れを惜しみ、姉妹は気を失いそうになる。それを見た士官たちはもう賭けに勝ったつもりになるが、ドン・アルフォンソに「まあ 待て、終わりが肝心」と囁かれる。軍隊の合唱が聞こえ「毎日手紙をください」と涙にくれる姉妹を残し、二人の士官は船に乗って去って行く。姉妹はドン・アルフォンソと恋人たちの幸運を祈って三重唱を歌い、アルフォンソは「あんな風に大袈裟に嘆く女の方が気が変わりやすいのだ、賭けはもらった」とほくそえむ。

姉妹の女中デスピーナ(ソプラノ)が、お嬢様方のココアを味見している所へ、姉妹が悲嘆にくれて現れる。恋人たちが戦場へ行ってしまったと説明する姉妹に、デスピーナは「男は他にもいるでしょう。お嬢様方もおおいに浮気をなさい」と笑い出す。

グリエルモとフェルランドを変装させ組み合わせを入れ替えて姉妹を誘惑する計画を立てたアルフォンソは、まずデスピーナを金貨で買収して協力させる。アルフォンソが、トルコ風に変装した二人を旧友だと言って姉妹に紹介し、二人はそれぞれに相手を変えて切々と愛の告白をする。突然な事に姉妹は怒り出し、フィオルディリージは「私たちには誓い合った恋人がいるのです」と貞節の堅さを歌って退場。二人の士官は賭けに勝ったとアルフォンソに前金を求めるが、アルフォンソは「まだ早い。明日の朝までは私の言う事を聞きなさい」と念を押す。

アルフォンソは次の作戦を考え、デスピーナと打ち合わせをする。姉妹が戦地に行った恋人を想って嘆いている所へ、先ほどの変装した二人が現れ、報われぬ恋を嘆いて毒を飲んで倒れる。医者に変装したデスピーナが現れ、ラテン語で皆を煙に巻き「磁気療法で二人の息を取り戻すのでしっかり支えて」と姉妹に命じて、さらに姉妹のキスも必要だと言い、怒り出す姉妹。大騒ぎのうちに1幕が終わる。

 第2幕

デスピーナが姉妹に「貞淑と浮気を使い分けて人生を楽しまなくては」と恋愛観を説いて退場。最初姉妹は呆れるが、ドラベルラがまんざら悪くないと言い始め「恋人フェルランドが金髪なので浮気は黒髪の方」と言い、フィオルディリージも「私は金髪の方」と、それぞれが実際とは逆の恋人を選んでしまう。アルフォンソが姉妹を庭に誘い、デスピーナと協力して、二人の若者と姉妹の仲を取り持ち励ます。フェルランドはフィオルディリージを誘って二人は散歩に行き、グリエルモがドラベルラを口説きだすと、彼女は意外に簡単になびきだして、彼からペンダントを受け取り、フェルランドの肖像の入ったロケットを渡してしまう。散歩から逃げようとするフィオルディリージを追って来たフェルランドが、切々とアリアを歌い絶望した振りをして去ると、彼女は身の内に燃える浮気心に気づき「恋人よ許してください」と歌う。フェルランドとグリエルモが互いの首尾を報告し、フェルランドがフィオルディリージの貞節の堅さを賞讃すると、グリエルモは喜ぶが、彼が自分が誘惑したドラベルラはついに心を許してフェルランドの肖像までくれた事を報告すると、フェルランドは怒り苦しむ。「不実な女と知っても忘れられない」と歌うフェルランドに、アルフォンソは「それが本当の愛だ」と言い、賭け金を求めるグリエルモに「まだ一芝居あるから判らんよ」と答える。

デスピーナがドラベルラの転身ぶりを誉めている所へ、フィオルディリージが自分もあの金髪に参ってしまった事を白状する。苦悩するフィオルディリージは、貞節を守るために恋人の軍服を着て彼を戦場に訪ねる決意をするが、軍服姿の彼女の前にフェルランドが現れ「私を捨てるなら殺してください」と口説き、ついに彼女も彼と抱擁しながら去る。この様子を見ていたグリエルモは怒り、アルフォンソは怒っている若者二人に「女は皆こうしたもの」と教え、今夜彼女たちと結婚しなさいと言う。

大広間では結婚式が準備されている。2組の花嫁花婿と公証人に化けたデスピーナが登場し、全員が結婚誓約書に署名をした所に太鼓の音が聞こえ、アルフォンソが軍隊が帰って来たと伝える。一同大慌てで、姉妹は二人の花婿を別室に隠す。変装を解いて元の軍服姿に戻ったフェルランドとグリエルモは、姉妹のおかしな様子を問いただし、結婚誓約書を見つけて怒り出す。姉妹は罪を認めてひざまずくが、フェルランドとグリエルモが先程の変装を着けて現れ種明かしをすると、事の全貌が解って怒り出す。アルフォンソが「文盲の愛よりこうなってから再び始まる愛の方が本物の愛になるのだ」と取りなし、この恋人教育も円満に収まって幕となる。