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♪La Traviata「椿姫」

by hidepost, le 3 oct 2012

作曲:Giuseppe Verdi(ヴェルディ 1813~1901)

内容:原作のA. Dumas filsの劇 「椿の花の貴婦人」を1852年パリで観劇し、感激したヴェルディが、「堕落した女」と改題してオペラ化することに決め、F. M. Piaveが台本を書いて翌年ヴェネツィアで初演された。初演時には結核で死ぬはずのヒロインがあまりに太っていたために悪評されたエピソードがある。心 に訴えるロマンティックな叙情性と美しさが 「世界の3大オペラ」 と言われる要素である。

3幕 イタリア語

あらすじ

第1幕

悲劇を暗示する前奏曲が終わると、そこは高級娼婦ヴィオレッタ (ソプラノ) の客間、今宵も華やかなパーティが開かれていて、ヴィオレッタは医者グランヴィル (バス) と談笑している。そこへドゥフォール男爵 (バリトン) とドビニー侯爵 (バス) が、ヴィオレッタの友人フローラ(メゾソプラノ)と現れて、宴はさらに華やかになる。ガストン子爵 (テノール) に連れられたプロヴァンス生まれの純情な青年アルフレード (テノール) が登場。子爵に紹介されたアルフレードは、皆に所望されて有名な[乾杯の歌]を披露し、聴き惚れたヴィオレッタも加わって二重唱となり、人々も盛り上がる。人々が舞踏会の準備が整った別室に移る時、ヴィオレッタはめまいで椅子に倒れこみ、「何でもないから」と1人残る。アルフレードが近づき「こんな生活をしていてはいけない。1年前から愛していた」と告白する。ヴィオレッタは軽くあしらうが、彼の真剣さに少し心を動かされ、椿の花を渡して「この花がしおれる頃に」と再会を約束する。1人になったヴィオレッタは「不思議だわ」と、純情な青年の愛に心が動く自分と、現実の享楽的な人生を送る自分との葛藤で、「馬鹿だわ」と有名な[花から花へ]で乱れる心を歌う。

第2幕 第1場

出会いから数ヶ月たち、ヴィオレッタは貴族のパトロンとの華やかな生活を捨て、アルフレードと2人でパリの郊外で静かに暮らしている。彼女との生活の喜びを [燃える心を] で歌うアルフレードは、女中アンニーナ (ソプラノ) から、この生活はヴィオレッタがその財産を売り払ってまかなっているのだと告げられ、自分の不甲斐なさに気づき、アンニーナに口止めしてパリへ金の調達に出かけて行く。質素にしかし健康的になったヴィオレッタが現れ、アンニーナからアルフレードのパリ行きを聞き、不思議に思う。アンニーナが、昔の友人フローラからの招待状を渡すが、彼女はもう昔の生活には戻らないと机の上に置き捨てる。そこへ突然アルフレードの父親、ジョルジョ・ジェルモン (バリトン) が召使ジュゼッペ (テノール) に案内されて入って来る。驚きながらも礼儀正しく迎えるヴィオレッタに、ジェルモンは「息子をたぶらかし、仕送りを使って贅沢をしているのですな」と非難するが、彼女は毅然と「私の家で女の私に失礼な事は言わないでください」と応じ、彼女が自分の財産を息子との生活のために売却していることを知ったジェルモンは、非礼を詫びる。アルフレードをどんなに愛しているかと話すヴィオレッタに、ジェルモンは「妹娘の縁談に差し支えるのでアルフレードとは別れて欲しい」と懇願する。ヴィオレッタは自分にはアルフレードだけが頼りである事を訴えるが、ついに老いた父親の願いに心を動かされ、身を引くことを決心し [お嬢さんにお伝えください」 で悲しい諦めを歌う。礼を言うジェルモンがいったん家を出て行くと、ヴィオレッタはアルフレードに 「自分はここを去ってパリでもとの生活に戻ります」 という手紙を書く。パリから戻ったアルフレードが、それを読んであまりのことに呆然としていると、父ジェルモンが現れて「美しい故郷で家族と生活しよう」と息子を慰めるが、激情したアルフレードは父の手を払いのけて駆け出し、父ジェルモンもその後を追う。

第2場 

ドビニー侯爵の世話を受けているフローラは、今宵も華やかな仮装舞踏会を催し、人々はヴィオレッタとアルフレードの別れ話の噂をしている。ジプシー娘に仮装した女たち、闘牛士に扮した男たちの歌が終わり、アルフレードが現れる。ヴィオレッタがドゥフォール男爵と連れ立って現れるので、アルフレードは男爵にカルタの勝負を挑んで圧勝する。成り行きを案じたヴィオレッタはアルフレードに男爵と争わないように頼み、それなら自分の元に戻るかと迫る彼に、彼女はジェルモンとの約束があるため心を偽って「男爵を愛している」と言ってしまう。激怒したアルフレードは人々を集め「借りた金は返す」とカルタで勝った金をヴィオレッタに叩きつける。ヴィオレッタは気を失い、人々がアルフレードを非難する中、追って来たジェルモンが息子をを叱りつける。取り返しがつかない事をしたと後悔するアルフレード、真相を言えないジェルモン、それでもアルフレードを想うヴィオレッタ、それぞれの思いが乱れる中、ドゥフォール男爵はアルフレードに決闘を申しこむ。

 第3幕

悲しい前奏曲の後 舞台は結核で死を待つだけのヴィオレッタの病室。ヴィオレッタは、ジェルモンから来た手紙を読み返す。そこには「息子アルフレードは男爵との決闘後外国にいるが、私は息子に真実を全て告白し、貴女との仲を許したので、彼は貴女を訪ねるだろう」と書かれてある。彼女はもう遅いと泣きながら[さらば過ぎし日よ]を歌う。窓の外を謝肉祭の楽しい行進が通り過ぎ、アルフレードが駆け込んで来てヴィオレッタを抱きしめ、「もう1度パリを離れて2人で暮らそう」 と言う。父ジェルモンも到着し「貴女を私の娘として抱きしめるために来た」と言うが、ヴィオレッタは、自分の肖像画をアルフレードに渡し、「私の死後、心美しい方が現れたらその方と結婚して、天国で2人の幸せを祈っている人からの贈り物だとこれを差し上げてください」と優しく語る。「不思議だわ、すっかり良くなった」と急に立ち上がろうとしたヴィオレッタは、愛する人の胸に抱かれて息を引き取り、幕となる。