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Rusalka「ルサルカ」

by hidepost, le 1 jan 2012


©Karl Foster

作曲:Antonín Dvořák(ドボルザーク1841~1904)

内容:Fouquéの小説「水妖記」やアンデルセンの童話「人魚姫」を基に、J. Kvapilが台本を書いた、ロマンティックで親しみやすいオペラ。2008年12月にモネ劇場で、舞台設定を現代の街に置き換えた演出で上演されたものの再演。 3幕 チェコ語

あらすじ 

第1幕 

序曲が終わると、水の精ルサルカ(ソプラノ)が、悲しみに沈んでいて、3人の森の精が楽しそうに飛び回っている。森の精をからかいに湖の底から出て来た水の精ヴォドニク(バス)に、ルサルカは「自分は人間の王子に恋をしてしまい、彼と一緒になる為に人間の姿になって、人間の魂を持ちたい」と悩みを打ち明ける。ヴォドニクは彼女を懸命に諌(いさ)めるが、「どうしても」と言うルサルカに「老魔女に相談してごらん」と言って水底に帰って行く。ルサルカは、王子への想いを託して、月に向かってアリア「白銀の月」を歌い、湖の傍にある老魔女の小屋を訪ね「人間の姿に変身させて」と頼み込む。老魔女イェジババ(アルト)は、「人間の姿になっても一言も話せない事。またもしも相手の男に裏切られた時には、その男を殺してその血を吸わない限り、故郷の湖には戻れなくなってしまう事」を話すが、ルサルカは「それでも構わない」と言って、魔法をかけてもらう。一方、ルサルカが恋をした王子(テノール)が、狩人(バリトン)と現れ「1人で森をさまよいたい」と言う。王子は、人間の姿になって現れたルサルカの美しさに見とれてアリアを歌って、彼女を抱きしめる。水の精の仲間達の心配も、ヴォドニクの戒めも空しく、ルサルカは湖を捨てて、王子に連れられて彼の城に向かう。

第2幕

王子の城では、ルサルカと王子の結婚式の準備をしている。森番(バリトン) と料理女 (ソプラノ) が「結婚式を目前にして、物言わぬルサルカへの王子の愛が冷めてしまい、王子は今、外国の王女に夢中になっている」と噂する。王子とルサルカが現れ、王子は彼女に着替えに行かせ、自分は外国の王女(ソプラノ)と共に宴会場に行き、華やかにポロネーズを踊る。ヴォドニクが水底から現れ、王子の不実を怒ってルサルカの運命を嘆く歌を歌い、明るい婚礼の合唱曲と対比する。声を取り戻したルサルカが、ヴォドニクに王子の心変わりを泣いて訴える。王子は外国の王女に愛の告白をして、それを陰で見ていたルサルカは耐え切れずに王子の腕を引くが、王子は彼女を突き飛ばす。それを見届けたヴォドニクは、王子に呪いの言葉を浴びせて、ルサルカを連れて水底に消えて行く。

第3幕

再び故郷の湖に戻って来ても、人間に恋をして捨てられた水の精の宿命のため、ルサルカは死ぬ事も、昔の様に水の精の仲間達の所へ戻る事も出来ずにさまよい続けなければならない。老魔女が「水の精に戻りたければ、裏切った男の血が必要なのだ」と言うが、ルサルカは「彼を殺すくらいなら永遠にさまよう」と答える。そこへ外国の王女に捨てられた王子が狂った様に走って来て、ルサルカを探す。静かに現れたルサルカは「私に接吻すれば貴方は死んでしまう」と言うが、死によって心の安らぎを求める王子は、彼女を抱いて接吻し、ルサルカの呪いは解き放たれ、王子は息絶える。ヴォドニクの嘆きの声が聞こえる中、王子を抱いたルサルカが、故郷の湖の底へ消えて行き幕となる。