プチポワ百科辞典　【豆】

プチポワ百科辞典　【豆】
いんげん豆をはじめとする豆には炭水化物、たんぱく質、ビタミンB群、ミネラ
ル（カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛）などの栄養素が豊富に
含まれています。また、栽培の面でも、根に存在する根粒菌が空気中の窒素を土
中に取り入れ、土地を肥やすという利点があり、豆類は大昔から世界中で栽培さ
れてきました。ヨーロッパでもよく利用されている代表的な乾燥豆とその料理法
を紹介しましょう。

	白いんげん豆 haricots blancs / witte bonen 大福豆（おおふくまめ）とも呼ばれる。くせがなく甘みがあり、煮込み料理に使うと美味しい。ポークビーンズなど豚肉との料理に合う。日本では、煮豆、甘納豆としておなじみ。ブドウ糖が脂肪に変わる働きを阻害するファセオラミンという消化酵素が含まれているため、ダイエットや糖尿病予防、高血圧症の改善などに効果があると一時人気となったが、真相は定かでない。
	赤いんげん豆 haricots rouges / rode bonen いんげん豆の代表選手。チリコンカンで有名な豆。金時豆とも呼ばれる名前の由来は、金太郎こと坂田の金時の肌の色に似ていることから。日本でよく知られている大正金時は、昭和初期に北海道大正村（現帯広市）で量産されたことからこの名が付いた。不足すると貧血症や皮膚炎、免疫力低下を引き起こすビタミンB6や食物繊維が多く含まれている。
	ひよこ豆 pois chiches / kikkererwten エジプト豆、ガルバンソの名でも知られる。西アジアが原産。ベージュ色が一般的だが、黒、茶、赤色の小粒種もある。男爵いものような食感とかぼちゃのような甘みを持つ。インドで多く栽培されており、コーヒー豆の代用として用いられている。食物繊維、ビタミン B1、B6を多く含む。硬いので、長めに水につけ、調理にも時間をかけること。じゃがいもの代わりにカレーに使うと美味。
	レンズ豆 lentilles / linzen 和名は扁豆（ひらまめ）。西アジアが原産で、2000年以上前から栽培されている。緑、黄、赤（皮なし）と3色ある。鉄分、食物繊維、ビタミンEを多く含むので、貧血の方にお勧め。軟らかくなるまで30～40分茹で、サラダに、玉ねぎ、にんにく、豚肉やベーコンと煮込む、スープにするなどの料理のほか、お菓子にも使われる。直径5mm程度の薄い豆なので、水で戻さずそのまま使える。世界の5大健康食品＊の一つ。＊オリーブ油、大豆、水切りヨーグルト（ギリシャ）、キムチ、レンズ豆カメラなどのレンズは、このレンズ豆に似ていることから「レンズ」と名付けられたそうです。
	えんどう豆＊ petits pois / erwten 古代ギリシャ、エジプト時代から栽培されている。さやごと食べる「さやえんどう」、豆を食べる「実えんどう」、熟した豆を乾燥してから食べる「青えんどう」、「赤えんどう」がある。甘く煮たものはうぐいす豆と呼ばれ、和菓子やパンに使われる。たんぱく質、ビタミンB群、カリウム、食物繊維を多く含み、高血圧、動脈硬化の予防になる。＊商品名 pois verts casses / groene split erwten
中近東の伝統料理フムス hummus 材料 4人分ひよこ豆･････････････150g ゴマのペースト･････大さじ2 にんにく･･･････････････2片オリーブ油････････大さじ3 レモン汁･････････････1個分塩、こしょう･･････････少々パセリ（みじん切り）･･･少々パプリカ（粉末）･･････少々作り方　ひよこ豆を一晩（12時間以上）水に浸す。　　豆を水で洗いなべに入れ、3倍量の水でやわらかくなるまで1時間以上茹でる。あくが出るのでこまめに取り除くこと。茹で汁は取っておく。　軟らかくなったひよこ豆、ゴマのペースト、にんにく、オリーブ油、レモン汁をミキサーでクリーム状にし、塩、こしょうで味を調える。出来上がりが硬めの場合は、茹で汁でのばす。　皿に盛り、オリーブ油（分量外）をかけ、パセリのみじん切り、パプリカを散らして出来上がり。	フランス・ラングドック地方の料理カスレcassoulet スーパーなどで瓶詰め、缶詰として売られている煮込み料理の定番、白いんげん豆で作る「カスレ」に挑戦してみましょう。材料 5人分白いんげん豆･･･････250g 角切り豚肉･･････････200g 鴨肉･････････････････200g 好みのソーセージ･････2本ベーコン･････････････50g 玉ねぎ･････････････中3個にんじん･････････････1本にんにく･････････････5片トマトペースト･･･大さじ1 赤ワイン････････････50cc 塩、こしょう･････････少々タイム、ローリエ･･････適量作り方　白いんげん豆を一晩水に浸す。　　豆を水で洗い、なべに入れ、2.5倍量の水を加え軟らかくなるまで弱火で約1時間下茹でする。水が少なくなったら足す。あくが出るのでこまめに取り除くこと。茹で汁は取っておく。　なべに玉ねぎ、にんにくのみじん切り、にんじんの乱切りを入れ、塩、こしょうして炒める。　豚肉、鴨肉（各ひと口サイズ）、ソーセージをフライパンで焦げ色が付く程度に焼く。　軟らかくなった白いんげん豆、　の豚肉、鴨肉、細切りにしたベーコンを　のなべに入れ、トマトペースト、赤ワイン、タイム、ローリエ、　の茹で汁を半分加えて弱火で約1時間煮込む。水分が少なくなったら、茹で汁または水を足す。　豆が崩れはじめとろみが付いたら、塩、こしょうで味を調え、ひと口大に切ったソーセージを加えてひと煮立ちさせ出来上がり。
簡単！プチポワスープ作り方 6人分　えんどう豆（1カップ）を水で洗い、下茹でする。　玉ねぎ（中３個）の粗みじん切りをバターで炒め、塩、こしょうする。　なべに下茹でしたえんどう豆と　の玉ねぎを入れ、水1.5㍑と好みのスープの素1個を入れ、えんどう豆がやわらかくなるまで煮る（ふきこぼれに注意）。　煮えたらハンドミキサーをかけ、塩、こしょうで味を調える。　好みで生クリームを加える。	乾燥豆安価で手に入る乾燥豆は、3倍量の水に一晩（7～8時間）浸して戻します。目安として、水に浸すと2 倍に、その後煮ると3倍に膨らむことを覚えておきましょう。急いでいるときは、お湯につけて蒸らす方法もあります。水に浸したあと、皮やごみなどを取り除き、一度下茹で（30分～1時間）して使いましょう。豆が煮えてから味付けをすると、味がよくしみ込みます。多めに下茹でした豆を冷凍保存し、必要に応じて使うのも賢い主婦の裏技です。乾燥豆の賞味期限は、約2年。湿気ないよう乾燥剤とともに密閉容器に入れて、冷暗所で保存します。保存状態が悪いと変色することがあります。