特集：〜プチ・サブロンの偉人たち〜　�F

Bernard van Orley
ベルナルド ファン オルレイ
画家、タペストリーおよびステンドグラス原画作家（1518〜1575）

　　ベルナルド ファン オルレイの生年については不詳ですが、ベ
ルギー王立美術館は1487/1488年説を採用しています。オ
ルレイ家は元ルクセンブルグの領主でしたが、現在のフラマ
ン圏に移り、彼の父はそこで生まれています。ベルナルドの
出生地はブリュッセルとなっています。
オルレイ家には画家が非常に多く、父Valentin van Orley
が描いた「ジョゼフの生涯」はブリュッセルの王立美術館に、
兄Everardが描いた「ロッシュ聖人」はアントワープの聖
ジェームス教会にあります。
したがってベルナルドは絵の手ほどきを父のアトリエで受け
ましたが、後にローマでラファエロに学んだという説もありま
す。しかしこれは確証がないそうです。
彼の署名入り初期の作品(1512年以降)はJean van Eyckや Roger van Weyden などの伝統を受け継いでいますが、その後ルネサンスのモチーフを取り入れ、特にラファエロ風になっているためローマまで行ったということになったのでしょう か？

1515年Veurensの聖十字架組合 からSint Walvutga教会へのトリプ ティカ（三つ折り形式のパネル画）の 注文を受け、1522年に納めていま す。左パネルはブリュッセル王立美 術館にあります。その頃から彼と彼 の工房は王家や宮廷人からの肖 像画の制作依頼を沢山受けるよう になりました。1517年、ネーデルラン ド摂政オーストリアのマルガレッタの 宮廷画家に任命 され彼女の肖像画 も描いています。 （ブリュッセル王立 美術館蔵 ） 彼は画家としては 北部ヨーロッパ最 初のアート企業家 といえます。彼の 工房は数多くの絵 画作品を産み出 し、特に1525年以降タぺストリーとステンドグラスの下絵の傑 出したデザイナーとして名声を馳せています。

1520年ドイツのAlbrecht Durerがシャルル5世の即位式に
出席するためネーデルランドを訪問した際、彼はvan Orley家 に泊まり（8月27日〜9月2日) ベルナルドを「ネーデルランド のラファエロ」と賞賛し、彼の肖像画を描いています。

しかし、1527年、彼とその家族や数人の他のアーティスト達
は親プロテスタントであるとして宮廷人の不興をかい、ベルナ
ルド一家はブリュッセルに逃れ、次いでアントワープに落着き ます。5年後新摂政オーストリアの マリアによって復職、宮廷画家と して再度活躍しました。彼の没後 この職は弟子Michael Coxcieが 受け継いでいます。 ベルナルド は若い頃からタぺストリーのデザイ ンも手がけていましたが、1530年
以後は絵画よりタぺストリーとステ ンドグラスのデザインに専念してい たようです。