ブリュッセルから北へ45ｋｍ、ベルギー第2の都市アントワープ。ここは16世紀後半のゴシック、バロック建築が残る美しい街。また日本人には「フランダースの犬」の舞台としても有名な街です。
  でもそれだけではありません。1988年、「アントワープ6人衆」と呼ばれるデザイナーらの出現によりファッションの街、新しいベルギーとしても世界中に注目されるようになりました。今回は、そんなこの街の新しいスポット、市街地南側をご一緒しましょう。

  街歩きのスタート地点はアントワープ中央駅。タリスの乗り入れに伴い構内はスタイリッシュに改装中ですが、線路を見下ろす大時計は今も健在です。
まず西口を出てドゥ カイゼル通り（De Keyserlei）をゆっくり進むこと10分余り。レイス通り（Leysstraat）からメール通り（Meir）に入ったあたり左手にあるのが、2007年10月にオープンしたショッピングモール�@スタッツフェーストザール（Stadsfeestzaal）です。ここは以前、アントワープの社交場として使われていましたが、2000年に火災にあい、そのままになっていました。しかし、今回その内部のみを新たに改装し、再デビューとなりました。
  中に入り、まず驚かされるのがその豪華絢爛さ！ まわりの白壁には金色の装飾がほどこされ、ゴージャスな雰囲気120％。鏡を使ったオブジェや、吹き抜けになったホールの天井からの優しい光が新たな空間を演出しています。靴、バック、洋服から本、雑貨、レストランやカフェ、さらには電化製品、食料品まで揃った専門店街は、おとなりのデパート、イノ（INNO）とも通路がつながっているので、雨の日も濡れる事なく、ゆっくり買い物が楽しめるでしょう。

  現実に戻って、今度はハゥィヴェッタ−ス通り（Huidevettersstraat）を南に少し進み、最初のかどを鋭角に北へまがります。ここは日本で言えば「原宿の一本裏の通り」のような場所。店構えは小さいけれど個性的でかわいらしいお店が並んでいます。ウィンドーショッピングだけでも十分にこの界隈を楽しめるはずです。そんな中で一軒、ご紹介するのは�Iフィリップス　ビスケット（Philip's Biscuits）。アントワープの地名の由来である『手』をかたどったクッキーがおすすめのひと品です。7〜8cmほどの大きさの生地にアーモンドのトッピング。見た目の派手さはありませんが噛んだ時、口の中にひろがる香ばしさは絶品！ ブリキの空き缶をインテリアに使った店内同様、素朴な味わいです。