特集：〜プチ・サブロンの偉人たち〜　�@
銅像めぐり〜14〜

Gerard Mercator（1512〜1594）　
「メルカトール図法」を考案した地理学者、数学者　

プチ・サブロンの銅像を数回にわたって紹介します

　　地図の作成に使われている「メルカトール図法」。その考案者である地理学者のジェラルド・メルカトールは、ベルギーで生まれました。フランドル地方のルペルモンド（Rupelmonde）で靴屋を営む貧しい家庭の７番目の子どもでした。幼少時から利発で勉強好き。７歳でラテン語、数学などを学んでいたといいます。
　　もともとの苗字は、Kremer（ドイツ語で商人の意）でしたが、ラテン語で商人を意味する「Mercator」に変え、ルーヴァン大学に入学します。大学時代に旅行した時に、自分が地理好きなこと、地図を見たり作ったりすることに興味があることに気づきます。
１５３５年から３６年にかけて、彼はかつての数学の教官とともに、地球儀を完成させます。この地球儀は、これまでにない緻密なものでした。完成した年に２４歳で結婚し、男女３人ずつ６人の子の父となります。３人の息子たちはいずれも同じ地図作成者の道を進みました。
　１５３７年にはパレスチナ、３８年には世界地図、４０年にはフランドルと、次々に地図を製作。この時代は、多くの探検家がアジア、アフリカ、アメリカに渡った“大航海時代”。実際に自分で歩き、情報を集めて作成した彼の地図は、時代に多大な貢献をしました。

理由は不明とされていますが、３２歳のころ、家族でドイツのデュイスブルグ（Duisburg）に転居し、地図を売る店を開く一方、同市の測量士、カレッジでの数学教師の職も得ます。店は大繁盛し、一躍町の富裕層の仲間入りをします。
１５６９年、５７歳で「メルカトール図法」を考案。独自の地図を完成させます。９年後には世界地図を作成。生涯、地図作り一筋に打ち込んだメルカトールは、未完の地図を数多く残して亡くなりますが、同じ道を歩んでいた息子の手によって完成。死後２年経った１５９６年、地図帳として売り出されます。天空を支えるギリシャ神話の巨人神の名からとった、「Atlas（アトラス）」の商品名で世に出ると、すぐに大評判となり、以来「アトラス」は地図帳のことをさす一般名詞になりました。 ブリュッセルから北西約５０キロのシント・ニクラース（Sint-Niklaas）にある「メルカトール博物館」で、彼の足跡をたどることができます。