Logopedie(仏) Logopedie(蘭)

[ロゴペディーとは？] ベネルクス圏で一般的に使われる「ロゴペディー」は英語では「スピーチ･セラピー（ST）」、フランスではオートフォニー（Orthophonie）として知られています。日本では「言語医学」と呼ばれる専門分野に属し、厳密に言うと呼吸器系、喉頭、共鳴腔などといった人間の発声・発語の生理学的メカニズムの構造や機能を踏まえ、言語・聴覚・音声・構音・言語聴覚障害などに対処する医療分野です。

[ロゴペディーの実際] 言語能力は、人間のコミュニケーションの手段の中でも最も重要なものと言えるでしょう。この能力に関する障害を助ける現在のロゴペディーは、医学を超え、言語学、心理学、人間工学など、広い領域の研究や臨床経験を用いて治療に当たる、社会的にとても重要な役割を担っています。

[対象と治療法] 生まれつきの聴覚障害や成長期の言語発達遅滞が見られる子供、脳や神経の疾病、あるいは事故の後遺症で失語症を患う成人などがロゴペッド（言語療法士あるいは臨床言語士）の治療を受けます。治療の一番最初に行なわれるのは障害が心理的なものか、病理的なものかという判別です。子供のケースでは聴覚検査や知能検査による先天異常の把握、小児心理学の見地からの分析などを行ないます。後天的な失語症では、症状にあわせてリハビリ訓練と指導を行なうのがロゴペッドの仕事です。また、記憶や認知などの高度な脳障害に対して訓練を行なう場合もあります。音声言語だけでなく、読み書きの障害も、コミュニケーション能力の一環として、ロゴペディーの治療の範ちゅうに入っています。

[治療の受け方（ベルギー）] 　

発語期の幼児で発達遅滞が気になる場合：　かかりつけの小児科医に相談、まず聴覚の検査を行ないます。年齢によっては知能の発達を診ることもあるでしょう。その結果が正常、あるいは弱い聴覚異常のみなどの場合にはロゴペッドからビラン（評価）を受けるよう、紹介状をもらいます。このビランをもって小児科医に戻り、改めて治療（回数、内容等）の処方を受けます。
学齢に達した児童で外国語環境による言語問題（自国語あるいは外国語の習得遅滞）がある場合：日ごろ接している幼稚園や学校の教員から、ロゴペッドの治療を受けるよう勧められることがあります。学校の保健医に相談して意見を求め、その後小児科、耳鼻科で紹介状を取ってから、ロゴペッドに出向くのがよいでしょう。　治療には1年ほどかかる場合が多いようです。