もともとは大阪・天王寺の歩道橋で路上似 顔絵師を始めたんです。 お客さんの「もっ と男前にして欲しい」とか (笑)、「ここを こうしたら」などのアドバイスが画風の下 地になっています。 歩道橋って実はかなり 揺れるんですね。おかげで手振れの防止や 描いている最中の修正なども、この時代に 鍛えられました。 手描きもパソコン描きも しますが、パソコンはデータがあれば何枚 でもコピーできる分、途中でフリーズしたり上書きしてしまっ て削除されたりという失敗もあります。近頃ではお客さんと話 をし、いろいろな表情を見ながら描き、その過程を見てもらう 手描きのほうが好きですね。お客さん自身も手描きのほうをよ り好むみたいです。普段は A3 サイズの紙ですが、色紙に描くと いう特別裏メニューもありますよ (笑)。集中すれば 15 分ほど で描きあげますが、やはりオバマ氏のように特徴のある顔は描 きやすく、逆に整いすぎた顔は描きにくいです。夫も同じ似顔 絵師ですが、画風が違い、私は夫の絵を真似できないし、夫も 私のような絵は描けないので、「もっと色の濃いほうが好き」な ど感想を言うことはあっても、批判したり教えあったりという ことはないですね。画風といえば、日本の似顔絵はデフォルメ してもどこか可愛さを残していますが、こちらではその「可愛 さがある」というのがないです。欧州の方は夫の描くようなこ ちら風の絵に慣れているせいか、私の可愛い系画風はやはり珍 しいようです。そうそう、実は私の描いた夫の似顔絵「くまや ん」は夫のお気に入りなんです (笑)。
