![]() |
駐在員主婦エッセイ 私的「ベルサイユのばら」ツアー ベルギー駐在員妻の流行の一つ に池田理代子作の「ベルサイユの ばら(通称ベルばら)」の再読とい うものがあります。私は「ベルばら」世代であり、多感な年頃にあの衝撃的でドラマチックなフランス革命の話に夢中になったものです。また、本場パリの駐在員奥様の中でも「ベルばら」が再流行しているらしく、誰かが持参された貴重な漫画を、ベルギーと同様に回し読みをして、フランス革命の軌跡を現地で追っているとか・・・私も色々と情報を教えて頂きました。なかなか覚えられない世界史ですが、なぜかこの時代背景だけはクリアに把握できているのは私だけではないようです。ここベルギーは、ルイ十八世(ルイ十六世の弟)が亡命した地でもあり、お隣フランスへは車ですぐに行ける距離です。私もベルサイユとパリを訪れ、この壮大な歴史ドラマの軌跡を追ってみました。 ベルサイユ宮殿 これ以上ない豪華絢爛の迫力を持って私を迎えてくれました。宮殿ツアーの最初に貸し出されるオーディオガイド(日本語有・有料)は、音楽付で説明してくれるのでムードを盛り上げる最高の小道具。その他、宮殿外の広大な庭園、噴水、トリアノン宮殿、王妃の村里・・・ ほっと一息つくために作られたというのが理解できるように穏やかでのんびりとした雰囲気を味わえます。これらを全部一日で回るのは大変なので、庭園内を走るミニトレインを利用しました。 コンシェルジェリー ギロチンにかけられた人達が最期の時を過ごした牢獄。マリー・アントワネットの部屋もあり、薄暗い石の部屋で当時の様子を再現しています。最期の肖像画もあり、生きる気力を失い老婆のようになってしまった彼女の姿から、革命による苦悩が時を越えひしひしと伝わってきました。 カンナヴァレ博物館 パリの歴史を紹介する歴史博物館。絵を見ながら革命当時の様子をうかがい知ることができます。マリー・アントワネットの遺品や、夫ルイ十六世や子どもと引き離される場面を描いた絵画も展示され、彼女の悲鳴が聞えてくるようでした。隣の部屋には革命家のロベスピエールやダントンらの肖像画もあり、憎らしく思えたのは私だけでしょうか・・・ 「ベルばら」は池田理代子女史が二十代の頃、シュテファン・ツワイク著のマリー・アントワネット(岩波文庫)を読み、感動して描かれたものといわれています。確かにこのユダヤ系オーストリア人による歴史書はマリー・アントワネットの人生を克明に記しており、「ベルばら」同様読みだすと止めることが出来ないほど、愛と憎しみの壮絶なドラマに引き込まれ、フランス革命を詳しく知りたい方の必読書と言えます。 |
![]() |