ジビエ入門 


秋になるとフランス料理のメニューにジビエが登場し、プチポワでも11月の“ジビエの会”は恒例行事です。ジビエ料理とは、訳すと「狩猟鳥獣肉料理」。その昔、イタリアやフランスの王侯貴族たちは自分の領地の中で行う「狩猟」を楽しみの一つにしていました。そして「キジ」や「ハト」、「鹿」や「ウサギ」といった獲物を、召し抱えの料理人(シェフ)たちに調理させ「おもてなし料理」として招いた客に振る舞い、時には自らも調理をしていました。本来、ジビエ料理とは限られた人々しか口に出来ない高級料理だったのです。そんなジビエについてほんの少し学んでみましょう。

  なぜ、秋から冬がシーズンなの?
ご存知の方も多いと思いますが、狩猟の解禁が10月からのためです。(その鳥獣によって解禁時期が異なります。)また冬に備えて木の実や虫を食べて栄養を蓄えた野禽獣の肉は、脂がのっていて硬く締まり、とてもおいしくなります。

ジビエの種類について
ジビエは鳥類と獣類(4本足のもの)に大別されます。鳥類は山バト(pigeon ramier)、山ウズラ(perdreau)、山シギ(becasse)、キジ(faisan)、小鴨(sarcelle)、真鴨(日本では青首とも呼ぶ colvert)、雷鳥(grouse)など。獣類は野ウサギ(lievre)、鹿(chevreuil)、イノシシ(marcassin)など。さらに鳥類は赤い肉(山バト、シギ)と白い肉(山ウズラ、キジ)に分けられます。 

野生と飼育ジビエを分類する名称
《ソバージュ~sauvage》
野生:狩猟で得るなどした野生のジビエを指します。
しかし、最近では乱獲が進み、非常に珍しいものになってきています。
《ドゥミ ソバージュ~demi sauvage》
半野生:餌付けなどで飼育された鳥獣を指します。

熟成Faisandageについて
 とくにキジなどは、屠鳥直後のものは本来の旨みがありません。これを3〜4日熟成させると、美味しさの本領を発揮します。この熟成作業をフランス語でフザンダージュといいますが、その語源はキジのフランス語faisanに由来しています。

料理方法は?
 「ジビエは基本を忠実に守って、クラシックな料理を心がけます。」と多くの料理人は言うそうです。ジビエの種類にもよりますが、ローストと煮込みが最も代表的な料理です。

今年のレストランINADAでの“ジビエの会”は11/21(金)、22(土)。皆さんも旬の味覚を味わってみませんか?


 

10.2003

 

 

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