ジョルジュ・シムノン 「メグレのお父さん」

 「メグレ警部」といえば、小説やTVでお馴染み、皆さんも一度は耳にしたことがあるでしょう。この「メグレ警部」の作者ジョルジュ・シムノンGeorges Simenonが、ベルギー人ってことはご存知でしたか? 今年2003年は、彼の生誕100年にあたります。 



シムノンは、1903年2月13日リエージュLiege生まれ。才能がある子供でしたが1919年に学校を退学し、La Gazette de Liegeという新聞社で働き始めました。当時は戦争で人手が少なくなり、16歳の彼でも働ける世の中でした。彼の仕事は、小さい出来事(交通事故や喧嘩など)を記事にすること。取材のために毎日リエージュの各警察署を訪ねたり、裁判を聴きに行ったりしていました。そのころから早くも人脈を広げ、庶民の日常のドラマを発見していたのです。

男性としても年のわりに成熟しており、1921年、18歳の時にはすでに婚約していました。ところが、その年お父さんが亡くなり、リエージュは世界が狭いとシムノンはパリへ移りました。そして、当時流行っていたBinet Valmerという作家の秘書になりました。


1923年に結婚し、小説を書き始めます。1924年から1931年までの間に約200冊の小説を色々なペンネームで書きました。ペンネームは全部で17。ラブストーリー、冒険小説もたくさん書きました。1928年に新しい主人公、パリ警視庁犯罪捜査課の責任者メグレ警部Maigret(その後、メグレ警視となる)を作り、それが一番有名となりました。

1929年にはペンネームを捨て、通俗文学も止めました。1931年からは「メグレ」シリーズを本格的に執筆しはじめ、すぐに大成功を収めます。1931年から1972年までの間に103冊の「メグレ」が出版されました。彼の帽子とパイプが世界中でシンボルになっています。裕福になったシムノンは、アフリカや北ヨーロッパ等を旅しました。戦争中は田舎へ、戦後は米国とカナダに移住し、1955年再びヨーロッパに戻りました。約500冊の小説を書いたシムノンは、1989年にスイスで生涯を閉じました。


さて、今年は「シムノンの年」です。ベルギーのテレビでは、彼に関する番組が色々放送される予定です。また、シムノンの旅行写真展も開催されます。彼の作品は、基本の語彙が約1000字と読みやすいものです。この機会にベルギー作家を身近なものにしませんか?


※ 写真展 ※ 3月6日から4月26日まで
La Maison du Livre 28 rue de Rome, 1060 Bruxelles

 





             

 

2.2003

 

 

Copyright 2001-2003 PETITS-POIS a.s.b.l. All right reserved. No reproduction or republication without written permission. Petits-Pois に掲載の記事・写真の無断転写を一切禁じます。