木の実の季節

 秋も深まり、木の葉が落ちる季節。朝夕ずいぶん冷え込むようになってきましたね。今の時期は、葉っぱと同時に木の実が実る季節でもあります。ナッツ(堅果)とは、果実の中で殻(外果皮)が堅く、主に種子の中身(仁)を食用にするグループを指します。今月は、こちらでよく見かける木の実を集めてみました。

日本産に比べ、やや小ぶり。渋皮が薄く調理はらくだが、皮が内側まで入り込んでいる。また、水分が少なくホクホクした感じ。マロンというと、日本ではこの栗を指すが、ヨーロッパでは一般的に次に挙げるマロニエの実のことなので注意! ただ、お菓子やスーパーの売り場などでは、マロンと呼ぶことも多い。

  • マロニエmarron dInde

ベルギーではよく見かける木の実。丸くて色艶もよく、いかにもおいしそうな感じ。きっと試してみた人もいるはず!? でもマロニエは、地中海地方原産のトチノキ科の木。そう、トチモチで知られるトチノミの仲間なので、食べられませ〜ん。

  • ヘーゼルナッツnoisette

チョコレートによく入っているナッツがこれ。見た目はまったくドングリそのもの。中の実は球形で堅い。地中海沿岸が原産で、お菓子の材料としてよく使われる。日本名は西洋ハシバミ。

  • クルミnoix

黒い実、クルクル転がる実というのがその名の由来とか。ナッツの中でも脂肪が多い方で、うち60%強がリノール酸。ビタミンB1もたくさん含まれていて、疲労回復に良く、滋養強壮にも優れている。

  • アーモンドamande

ナッツ類の代表選手のアーモンドは、中央アジア原産。実を包んでいる殻は、桃の種にそっくり。カルシウムや鉄分を多く含み、お菓子のほか、鶏肉や子牛肉の料理にも使われる。

  • ピスタチオpistache

中央・西アジア原産のウルシ科の木の実。ギリシャの特産品としても有名で、旅行のお土産に買ってきた方も多いのでは? 中の緑色、または黄色の実を食用にし、アイスクリームでもおなじみのナッツ。

  • ブラジルナッツnoix de Brezil

その名のとおり、ブラジル産。サガリバナ科の大木になる1〜2sの果実から、12〜20個取れる。殻はオレンジの房のような半月形でとても堅く、中の黄白色の部分を食用にする。熱量も100gで700カロリーとかなりなもの。

 ナッツこぼれ話

1) ヨーロッパにはクルミによる恋占い、安産の祈願など、クルミに関するいろいろな民俗的風習があります。11月1日のToussaint(万聖節)は「ク ルミを食べる夜」とも呼ばれるそうです。

2) ブラジルナッツのように堅い殻を割る時、クルミ割りでは無理、かといってトンカチで叩くと中身までつぶれてしまう。こういうことをフランス語では、「un vrai casse-tete!」(=本当に厄介なこと!)と言います。

−おまけ情報

 ブリュッセルでも栗拾いのできる場所があるのをご存知ですか?

 Parc de WoluweやParc de Roodebeek、Tervurenの森などで、落ちている栗を拾うことができます。天気の良い休日に、お散歩がてら栗を探しに出かけてみてはいかがでしょう。案外、家の近くの思わぬ所で見つけられるかも・・・。